第246話 機動戦士ジョイダム

第246話 泥に咲く花{ヘルズゲート襲撃編}(第44章)



ミッション名【サーカスチャーリー】

ミッション【地球連邦軍への陽動】

襲撃ポイント【南ゲート】

襲撃者【ムゲンダユウ】

襲撃内容【南ゲート扉の破壊と都献武本隊が到着するまでの前線の維持】



― 地球 ジャパム ネオトーキョー ヘルズゲート 南ゲート ―



宇宙世紀0068年07月19日…

07:54…



銀色の兜を着た巨人の目の前を風が通り過ぎたのだ。

音も無い風が…。


銀色の鎧を着た巨人「(心の中で)払い斬り…」

次の瞬間、銀色の鎧を着た巨人の左の視界が赤く染まり、左目の視力が失われていく。

銀色の鎧を着た巨人「(心の中で)そうか、左目を…」

左目を斬られたことを自覚した瞬間、左目が激痛に襲われる。

銀色の鎧を着た巨人「ぐうおぉぉ…」

左手で顔を覆い隠しながら腰を曲げて丸くなる銀色の鎧を着た巨人。


顔を隠しながら丸くなる銀色の鎧を着た巨人を見上げるザンジ。

ザンジ「(心の中で)チャンスだ…」

ザンジ「(心の中で)またとないチャンスだ…」

重い体に鞭を打って、右腕一本で中段に構えるザンジ。

その視線の片隅に刃こぼれした日本刀の切っ先が映る。

ザンジ「(心の中で)派手に打ち抜いたからな…」

フッと自然にほくそ笑み、中段の構えのまま銀色の鎧を着た巨人に向かって飛び出すザンジ。


銀色の鎧を着た巨人「(大声で)があぁぁぁ〜」

顔を隠したまま棍棒を無造作に振り回し始める銀色の鎧を着た巨人。


ブオ…


前に出ながらしゃがんでフォアハンドの水平払いを避けるザンジ。

ザンジ「(心の中で)クソ…」

ザンジ「(心の中で)逃げ出したくなるほどの恐怖感…」


ブオ…


返す刀で、バックハンドでの水平払いを、再度前に出ながらしゃがんで避けるザンジ。

ザンジ「(心の中で)…だが、逃げ出すわけにはいかねぇ…」

ザンジ「(心の中で)ここで一気にたたみかけるんだ…」


銀色の鎧を着た巨人とザンジとの距離、約1メートル。


ザンジ「(心の中で)あと一歩…」

ザンジ「(心の中で)この技がこの分厚い鎧に守られた巨人に有効かどうかは解らない…」

ザンジ「(心の中で)…だが、チャンスなんだ…」

左足で大きく前に踏みこむザンジ。

ザンジ「(心の中で)この技に全てを賭ける!」


踏みこむと同時に、右手に持った日本刀をスッと右肩で担ぐように振り被るザンジ。

ザンジ「船水流刀術…」


ザンジの声でピクリとなる銀色の鎧を着た巨人。

銀色の鎧を着た巨人「(心の中で)どこ…」

銀色の鎧を着た巨人「(心の中で)いや…」

顔を上げたくなる衝動をグッと抑え、顔を伏せたまま左目だけを開けて辺りを見回す銀色の鎧を着た巨人。

銀色の鎧を着た巨人「(心の中で)この鎧の性能を信じて顔を伏せとるのが得策…」


ザンジ「(大声で)乱斬(らんぎり)!」

肩に担いだ日本刀を歯を食いしばりながら力いっぱい垂直に振り下ろすザンジ。


銀色の鎧を着た巨人「(心の中で)乱斬…?」

銀色の鎧を着た巨人「(心の中で)前に…?」

顔を伏せたまま目だけで前方に視線を移すと、すぐ目の前にザンジの足先が見えてドキッとなる銀色の鎧を着た巨人。

銀色の鎧を着た巨人「(心の中で)いつのまに…」

次の瞬間、後頭部に重たい衝撃がのしかかってくる。

銀色の鎧を着た巨人「ぶおぉ…」

後頭部の衝撃で前のめりに額から地面に落ちる銀色の鎧を着た巨人。

銀色の鎧を着た巨人「(心の中で)鎧の上からじゃと…」

次の瞬間、頭頂部を鎧ごとカチ上げるような剣撃を受ける銀色の鎧を着た巨人。

銀色の鎧を着た巨人「(心の中で)“乱斬”とは“燕返し”のこと…!?」

ゆっくりと顔を上げていく銀色の鎧を着た巨人。

更に鎧越し、額の辺りに横一線の剣撃を感じる銀色の鎧を着た巨人。

銀色の鎧を着た巨人「(心の中で)な…」

そしてすぐさま額の同じ箇所への返す刀での横一線の剣撃。

銀色の鎧を着た巨人「(心の中で)何だと…」

ゆっくりと顔を上げていく銀色の鎧を着た巨人を更なる横一線の剣撃が襲う。

右頬、左頬、右顎、左顎、右首、左首。

横一線の連続斬りは徐々に速度を増していく。


銀色の鎧を着た巨人「(心の中で)足を止めての連続斬りじゃと…」

ゆっくりと立ち上がる銀色の鎧を着た巨人を更なる横一線の連続斬りが襲う。

右鎖骨、左鎖骨、右胸、左胸、右鳩尾、左鳩尾。

しっかりと立ち上がった銀色の鎧を着た巨人が、一向に止む気配の無いザンジの連続斬りに顔をしかめる。

銀色の鎧を着た巨人「む…無駄なことを…」

怒りに満ちた目でザンジを睨みつける銀色の鎧を着た巨人。

銀色の鎧を着た巨人「(大声で)わしは卍党のムゲンダユウ!」

ムゲンダユウ「(大声で)わしの体は卍党の為にある!」

ムゲンダユウ「(大声で)わしの目を一つ斬ったっちゅうことは、卍党の目を一つ斬ったっちゅうことと同じじゃあ!」

ムゲンダユウ「(大声で)その罪!」

ムゲンダユウ「(大声で)死んで詫びたくらいでは償えんぞ!」


ムゲンダユウのビリビリくるような大声の威圧感に負けないように、一心不乱に日本刀を振るうザンジ。

ザンジ「(心の中で)無駄…!?」

ザンジ「(心の中で)そんなことは重々解ってるさ…」

ザンジ「(心の中で)だがなぁ…」

ザンジ「(心の中で)一撃で倒すことができねぇんなら…」

ムゲンダユウの顔を見上げるザンジ。

ザンジ「(心の中で)数打つしかねぇじゃねぇか!」

見上げたザンジと睨みつけるムゲンダユウの視線が激しくぶつかるのであった。





次回 機動戦士ジョイダム

第247話 泥に咲く花{ヘルズゲート襲撃編} (第45章)

君は…ハジケることができるか…






【2011/12/28 20:14】 『 第237話〜第∞話 』 【泥に咲く花{ヘルズゲート襲撃編}<サーカスチャーリー“ムゲンダユウ”>】 | TRACKBACK(0) | COMMENT(0) top>>

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